ロリン・マゼール
プレイリスト
バイオグラフィー
1930年にパリで生まれたロリン・マゼールは、幼い頃にアメリカに移住。わずか8歳にしてニューヨーク・フィルハーモニックを指揮してデビューを飾ると、10歳前後でストコフスキーやトスカニーニの招きを受けるようになるという、想像を絶するほどの神童ぶりを発揮した。1960年には、アメリカ人指揮者として初めて、そしてユダヤ人指揮者としても初めて、バイロイト音楽祭に出演しており、またウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの指揮者も11回務めている。マゼールはどのような難曲でも完璧に覚えてしまうという驚異的な記憶力の持ち主だったと言われており、多くの曲を楽譜無しで演奏することができた。その鉄壁のタクトさばきは、例えば1960年代のベルリン放送交響楽団との迫力あふれる演奏を収録した音源からも感じ取ることができる。その後も多くのレコーディングを行った彼は、マーラー、ブルックナー、シューベルト、シベリウスの交響曲全集などをメインとしながらも、アンドルー・ロイド・ウェバーの『Requiem』など、あまり知られていないレパートリーも取り上げた。希代の指揮者として、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ピッツバーグ交響楽団、バイエルン放送交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックなど、欧米の主要なオーケストラや歌劇団の要職を歴任したマゼールは、優れたヴァイオリニストであり、作曲家でもあった。自作のヴァイオリン協奏曲の録音も遺しており、2005年には自身のオペラ『1984』をロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで初演している。2012年にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したマゼールは、2014年に84歳でこの世を去った。