ベートーヴェンのバイオリン協奏曲は聴き尽くしたというリスナーにこそ、ぜひ本作の素晴らしい演奏に耳を傾けて欲しい。クリスティアン・テツラフはコンサートやレコーディングで何度もこの作品を取り上げてきており、他の優れたバイオリニストたちと比べても特に深く、細部にわたりスコアを知り尽くしている演奏家といえるだろう。静かな場面では息をのむほどの緊張感でリスナーを集中させる一方、必要とあらば音楽を一気に興奮のピークへと導く。あまりにも有名な協奏曲だが、本作での彼の演奏はまるで素晴らしい楽曲を初めて聴いた時のような新鮮な感動をリスナーに与えてくれる。カップリングされたシベリウスの協奏曲についても同様で、テツラフはここでも想像力と独創性にあふれた演奏を披露。ロビン・ティチアーティの指揮もテツラフの表現を最大限に生かす絶妙なパートナーぶりを見せている。
作曲者
ヴァイオリン
指揮者
オーケストラ