作曲家としても優れた作品を発表している英国の指揮者、トマス・アデスとBritten Sinfoniaによるベートーヴェンの交響曲第1番、第2番、第3番は、生気にあふれたリズムと鮮やかな響きの演奏でリスナーを元気づける。中でも第1番の第3楽章や第2番の第4楽章のほとばしるような疾走感は、心地よい驚きと興奮を呼ぶ。一方で第3番『Eroica』の第2楽章『葬送行進曲』の重厚さと力感も印象的だ。第2番と第3番の間には現代アイルランドの作曲家Gerald Barryによるオペラ風の一曲、その名も「Beethoven」が挿入されている。これはベートーヴェンが遺した宛先不詳のラブレターの内容を歌詞にしたもので、恋にもがく男の感情をかん高いファルセットや調子はずれのとぼけたうなり声を交えて描く、ユーモラスでチャーミングな作品。アルバムのラストを飾るBarryによる変化に富んだピアノ協奏曲も聴きどころ。
作曲者
ピアノ、指揮者
オーケストラ