米国出身の指揮者、ロバート・トレヴィノ。このアルバムは、彼が最も注目すべき若手指揮者の一人として急激に頭角を現すさなかにリリースされた。ベートーヴェンの交響曲は彼の実力を証明するのにうってつけの題材だ。この大作曲家が遺した全交響曲を演奏するため、録音された一連のコンサートは2週間を超える日数に及んだ。奇数番の交響曲では驚くほど勢いに乗った演奏も聴かせるが、トレヴィノは速さだけを売りにすることはなく、楽曲が持つ繊細な魅力も表現するべくオーケストラを導いている。一方、偶数番の交響曲においては、指揮者たちに好まれることが多い「第4番」で清らかで美しい響きを生み出し、「第8番」ではリスナーを大いなる喜びと幸福感で包み込む。そして、ベートーヴェンの交響曲全曲演奏というハードで長い旅路をしめくくる「第9番」は実に感動的だ。
作曲者
交響楽団
指揮者
メゾソプラノ