ピアノは生の音が大きなホールに響きわたるように設計された楽器であり、クラシックギターは、より親密な空間での演奏に向いている。その2つの音のバランスを取ることはとても難しく、クラシック音楽の世界でこの2つの楽器のデュオによる演奏を聴く機会はあまりない。しかし、音楽性において多くの共通する部分を持つピアニストAleksander DebiczとギタリストŁukasz Kuropaczewskiによる演奏は、非常に美しい均衡を保っている。Debiczのペンによる「Recipe」と「Pedro」で聴くことができる独奏と伴奏をスイッチしながらのインタープレイや、そこから生まれてくる崇高なまでの響きには息をのむばかりだ。異なる音楽文化を融合する、インスピレーションにあふれたアレンジにも心を奪われる。「Aranjuez Concerto / BWV 1056」はバッハとホアキン・ロドリーゴの独創的な出会いであり、イタリアバロックの作曲家ドメニコ・スカルラッティによる「Domingo」はフラメンコ音楽として新たな命を与えられている。ラヴェルのいくつかの名旋律を組み合わせて1曲にまとめ上げた「Ravel」は、まるでこの偉大な作曲家の人生を5分間で駆け抜ける音楽の走馬灯のよう。Debiczの手による楽曲で、人気カウンターテナー歌手Jakub Józef Orlińskiのヴォカリーズをフィーチャーした「Quarantine Song」は、光輝に満ち、静謐(せいひつ)な中に情熱を秘めたトラックに仕上げられている。
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