Fabian Müllerは、国際コンクールでの受賞歴をもつドイツの若手ピアニスト。この『Passionato』は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の体験によって生まれた感情を、巧みに選曲へと反映させている。シューマンの「ピアノ・ソナタ第2番」とベートーヴェンのソナタ「ピアノソナタ第23番(熱情)」を結びつけたり、秋の気配が色濃いブラームスや暗く険しいヴォルフガング・リームの音楽に新たな視点を与えることで、さまざまな問題や課題を抱えながら希望をも内包する複雑な現代社会をピアノによって表現する。コロナ禍によって沈黙を強いられた音楽だが、そのパワーは抑え切れないほど大きいと、Fabian Müllerのピアニズムが訴えかけているかのようだ。
作曲者
ピアノ