ヨハネス・ブラームス

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    • 1981 · ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、カルロス・クライバー

バイオグラフィー

写真の中のヨハネス・ブラームスは、高貴な雰囲気を醸し出す豊かなひげを蓄え、堂々とした威厳のある男性に見える。しかしその外面の内側には、シャイで、自信喪失に陥りやすい、メランコリックな人間性が隠れていたのだ。1833年にハンブルクの経済的には恵まれない家庭に生まれたブラームスは、ドイツの交響楽の権化として、広く世界に知られる存在にまで上り詰めた。若き日のブラームスの才能をいち早く見いだし、励ましたのは、ロベルト・シューマンだった。しかし、そのシューマンが精神に異常をきたしたことは、ブラームスの心に生涯にわたって残る傷を与えることになる。またブラームスは、未亡人となったクララ・シューマンと、強烈に創造的なエネルギーを生み出しながらも、どこか奇妙で、満たされない関係を築いていく。このような個人的なドラマの影響は、『Piano Concerto No. 1』や『Symphony No. 1』に表れる嵐のような情感からも感じ取ることができる。一方、おそらく多くのリスナーが、最もブラームスらしい美しい表現は室内楽曲やピアノ曲、そして歌曲の中にあると感じているだろう。彼は、大きな表舞台から離れたこのようなジャンルでこそ、敏感かつ繊細で、メランコリックな本質を発揮することができたのである。ブラームスは1897年に、後半生を過ごしたウィーンで亡くなったが、彼の素晴らしい交響曲や協奏曲は、現在でもコンサートの重要なレパートリーとして愛され続けている。

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