ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコ
ライブアルバム
シングル&EP
ベストアルバム、その他
バイオグラフィー
ピアノという楽器はここまで演奏者の人生を物語ることができるものなのだろうか。魂のピアニスト、フジ子・ヘミングの演奏は、音楽であると同時に、まるで詩人が発する言葉のようにリスナーに語りかけてくる。スウェーデン人の画家兼建築家の父と日本人ピアニストの母の下、ベルリンに生まれたフジ子は、幼いころに移り住んだ東京で育った。5歳の時に母の手ほどきでピアノを始めるとその才能はみるみる開花し、東京藝術大学在学中には多くのコンクールで入賞を果たしている。卒業後には本格的な演奏活動をスタートさせ、来日中にフジ子の演奏を聴いたサンソン・フランソワに絶賛された。28歳でドイツに留学し、現在のベルリン芸術大学を卒業してヨーロッパで演奏活動を行うと、レナード・バーンスタインにも高く評価されるなど、キャリアを進展させていく。しかし、ある重要なリサイタルの直前に風邪をこじらせて聴力を失ったことで、その歩みは失速してしまった。ストックホルムに居を構えたフジ子は、ここで耳の治療をしながらピアノ教師として生計を立てることになる。そんな彼女が“再発見”されたのは、それから数十年が過ぎた1995年に帰国してからのこと。地道な演奏活動が次第に注目を集めると、フジ子を特集したドキュメンタリー番組が制作され、大きな反響を呼んだのだ。そして、1999年にリリースしたアルバム『奇蹟のカンパネラ』が驚異的なヒット作となり、ついにフジ子・ヘミングは夢をつかんだ。遅咲きのピアニストが波瀾(はらん)万丈の人生の中で深く味わってきた悲しみ、苦しみ、喜び。それらすべての感情の機微を独白するかのような表現は、他に類を見ない。
