1942年、ヨーロッパの大半がナチスに占領され、世界は混乱に陥っていた。この注目すべきアルバムに収録されている3つのソナタはいずれもこの年に書き始められたもので、その内の2つは暗い時代を象徴する作品だ。本作の口火を切るコープランドの『Sonata for Violin and Piano』は、彼が1944年に発表した代表作『Appalachian Spring(アパラチアの春)』を特徴づけている民謡の旋律のみずみずしさや穏やかさとは程遠く、内省的で悲嘆に暮れ、殺風景でザラザラとした耳触りの作品となっている。同様にプーランクも、いつものひょうひょうとした雰囲気とは打って変わった悲痛な面持ちで、1936年に射殺されたスペインの詩人ロルカへのオマージュを捧げている。ちなみにこの作品は後に、初演でソリストを務め、その6年後に起きた飛行機事故で30歳の若さで亡くなった伝説的バイオリニスト、Ginette Neveuを追悼して改訂された。一方、プロコフィエフの『Violin Sonata No. 2』は平和な時代への追憶なのか、シンプルな魅力にあふれた楽曲だ。そしてニュージーランド出身のバイオリニストBenjamin BakerとハンガリーのピアニストDaniel Lebhardtのコンビネーションは、並外れた情熱とエネルギーを放っている。
作曲者
ピアノ
ヴァイオリン