Lise de la Salleは冒険心と並外れた技巧をあわせもったフランスのピアニストで、彼女が生涯を通じて愛してやまないダンスに触発されて制作したのがこの想像力あふれるアルバムだ。1850年から1950年までの一世紀という期間を、彼女はピアソラのタンゴで蒸し暑いアルゼンチンを探検し、近代主義者ラヴェルが作曲したパリジャンによるウィンナ・ワルツを楽しみ、バルトーク作のハンガリー民族舞踊の純真さを喜びたたえるなど、音楽で世界を駆けめぐる。マヌエル・デ・ファリャの熱狂的な「Danza ritual del fuego」や、ドビュッシーの風変わりなフランス風「Mazurka」など、思いがけない逸品が聴けることも魅力。ジャズピアニストのアート・テイタムの名演で知られる「Tea for Two」では、魅惑的な編曲によってDe La Salleの素晴らしいテクニックが堪能できる。最後のラフマニノフによるポルカではロマンチックと超絶技巧が合わさり、最高のラストダンスが楽しめる。