トリニダード出身のソプラノ歌手、Jeanine De Biqueのキャリアは2021年に大きく飛躍した。その理由はこのデビューアルバム『Mirrors』を聴けばわかるだろう。本作で彼女の温かく表現力豊かな歌声と魅力的なパーソンナリティを引き出しているのは、その巧みなプログラムだ。ここでのDe Biqueは、バロック時代の作曲家たちによって音楽的な命を吹き込まれたさまざまなキャラクターを見事に演じ分けている。ヘンデルが描いたRodelindaやAlcinaにCleopatra、それらの登場人物をGraunやBroschi、テレマンがそれぞれに異なる手法で表現した楽曲の対比が、彼女の能力を際立たせる効果を発揮している。De Biqueの生き生きとしたキャラクターと美しい歌声は実にチャーミングで、コンチェルト・ケルンの演奏も見事だ。輝かしい将来を予感させる、素晴らしいデビューアルバム。