コンチェルト・ケルン

バイオグラフィー

ドイツのアンサンブル、コンチェルト・ケルンは、18世紀に書かれた楽曲を、作曲当時に存在した楽器を用い、歴史的知識に基づいた適切なスタイルで誠実かつ明快に演奏することで知られる一方、近年ではワーグナーによる後期ロマン派のオペラにまでレパートリーを広げている。1985年に創立された同楽団は演奏家たちによる自主運営団体であり、常任指揮者を置かず、ヴァイオリニストやチェンバロ奏者など、その時々の“リーダー”がディレクションするというスタイルを取っている。2005年にはフルート奏者兼リコーダー奏者のMartin Sandhoffが芸術監督に就任した。一方、ベルギーのルネ・ヤーコプスをはじめとする古楽が得意な指揮者との共演も多く、ヤーコプスとは、ヘンデルのオペラ『Giulio Cesare』(1991年)やオラトリオ『Saul』(2005年)、モーツァルトの『Così fan tutte(コジ・ファン・トゥッテ)』(1999年)、『Le nozze di Figaro(フィガロの結婚)』(2004年)などをレコーディングし、高い評価を得ている。1990年代の半ばにはメンデルスゾーンによる弦楽のための交響曲を全曲録音し、1999年にはフォルテピアノ奏者のアンドレアス・シュタイアーとの共演で、ジョン・フィールドのコンチェルトを収録したアルバムもリリースするなど、ロマン派のレパートリーにも取り組んだ。また、古楽の演奏のために、かつて実際に使われていた楽器を探したり、復活させたりするための努力を惜しまないコンチェルト・ケルンは、2014年にバッハの『ブランデンブルク協奏曲』をレコーディングした際、作曲者の意図に沿うべく、『第4番』においてバッハが指定している“Flauti d’echo”と呼ばれていた特殊な“ダブルリコーダー”を復元している。2011年以来同楽団と多彩なコラボレーションを行ってきた指揮者ケント・ナガノは、2019年に名誉指揮者に任命されたことを契機に、ワーグナーのオペラ『ニーベルングの指環』を、歴史的知識に基づく演奏で上演するプロジェクトに着手した。

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