イタリアのメゾソプラノ、チェチーリア・バルトリのアルバムはいずれも秀逸で、イマジネーション豊かなプログラムを常に完璧なパフォーマンスで聴くことができる。しかし通常とは異なる背景から生まれた本作は、他の作品とは違う意味で特別なものとなった。思いがけず自由な時間を手にしたバルトリは、未発表の音源を探すべく自身のアーカイブを振り返った。コンサートアリアを集めたこのアルバムは、2020年のロックダウンがなければ日の目を見ることはなかったかもしれない。本作『Unreleased』に収録されたのは2012年にBasel Chamber Orchestraとレコーディングした音源で、2つの楽曲には名バイオリニスト、マキシム・ヴェンゲーロフの演奏もフィーチャーされている。ベートーヴェン、モーツァルト、Mysliveček、そしてハイドンによる7つのドラマチックな楽曲は、卓越した技術を持つソプラノディーバたちがその実力を存分に発揮できるよう書かれたものだ。18世紀最高のソプラノ歌手の一人であるJosepha Duschekにインスパイアされた、高度な技術を要するモーツァルトとベートーヴェンの楽曲を、バルトリは完璧なまでの様式美と魅力的な音楽性をもって歌いこなしている。
作曲者
指揮者