2022年の夏、ボルティモア交響楽団は次期音楽監督としてJonathon Heywardを迎えることを発表した。100年を超える同オーケストラの歴史の中で、アフリカ系アメリカ人の指揮者が音楽監督の任に就くのは初めてのことだ。本作ではそのHeywardが、ロンドン交響楽団を指揮している。取り上げられたのは、リリ・ブーランジェによる生気に満ちた楽曲「D'un matin de printemps(春の朝に)」、18世紀後半に活躍したアフリカ系フランス人の作曲家でバイオリニストJoseph Bologneによるバイオリンの妙技にあふれた協奏曲『Violin Concerto in A Major, Op. 5』、そして、 ストラヴィンスキーの名作『L'Oiseau de feu(火の鳥)』の組曲(1919年版)の3作品。ここでは、これらのイマジネーションにあふれたダイナミックな楽曲に、新星指揮者と老舗オーケストラが新たな息吹をもたらしている。