レイナルド・アーンやガブリエル・フォーレ、そして、ナディア・ブーランジェというフランスで活躍した作曲家たちによる比較的録音される機会が少ないピアノと管弦楽のための作品を、優美かつ誌的な演奏で楽しめる。韓国出身で国際的に活躍するピアニスト、ウィリアム・ヨンにとって、ベルリン放送交響楽団と共演した本作は初のオーケストラアルバムとなった。2024年が生誕150年に当るアーンの華やかで親しみやすいコンチェルトでは、ヨンの輝くような音色がその魅力を最大限に発揮している。ナディア・ブーランジェによるドラマチックで壮大な変奏曲「Fantaisie variée pour piano et orchestre」でのヨンは、楽曲が持つ起伏に富んだ物語をダイナミックに描き出す。没後100年のフォーレによる「Ballade, Op. 19, N 56」と「Fantaisie, Op. 111」では、ヨンがオーケストラの繊細な響きを背景にして奏でるこの大作曲家ならではの、うっとりするような旋律が印象的だ。また、ソロピアノで奏でられるアーンとフォーレの楽曲は、優しさと胸の奥に染み入るような情感にあふれている。