II. Im Tempo eines gemächlichen Ländlers. Etwas täppisch und sehr derb (Live)


正確かつ繊細な技術に裏打ちされた情感豊かな演奏が、死を意識していたマーラーが最後の大作に込めた複雑な思いを感動的に描き出す。韓国出身で多くの著名なオーケストラを指揮してきたマエストロ、チョン・ミョンフンは、得意とする作曲家の一人であるマーラーの作品を多く手掛け、多くの名演を繰り広げてきた。そして、この世界的指揮者は本作でもオランダの名門オーケストラであるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団から、緻密であると同時にリスナーの胸を熱くする演奏を引き出している。同オーケストラのライブ録音は、通常の場合、本拠地であるアムステルダムのホール、コンセルトヘボウで行われるのだが、このアルバムは2020年にハンブルクのエルプフィルハーモニーでレコーディングされており、同会場の響きも楽しめる。また、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は現役時代のマーラーが度々指揮をしたという歴史を持つことから、この交響曲を何度となく演奏してきているが、そんな彼らがこの音源のリリースを強く求めたという事実も、本作のクオリティを裏付けるものであろう。
2024年1月19日 4トラック、1時間 22分 ℗ 2024 Koninklijk Concertgebouworkest