ピアニストのユハン・ワンは、初期のピアノや古楽器に強い関心を持つ演奏家として頭角を現した。モダンピアノが生まれる前の鍵盤楽器の構造、音の性質、演奏方法は、現在のものとは大きく異なっていた。だからこそ、ワンは古楽器に魅力を感じているのだ。 ワンは、このApple MusicとApple Music Classical限定のClassical Sessionのために、彼女が子どもの頃からずっとその強烈なまでの美しさを愛してやまない4曲をセレクトした。これらの曲は、18世紀末のベートーヴェンの『ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調』から19世紀半ばのメンデルスゾーンの『無言歌集(Lieder ohne Worte) 第2巻』までの間に、鍵盤音楽が大きな変化を遂げたことを示すものでもある。前者が作曲された1798年から後者が出版された1835年の間に、ピアノは木製のフレームによる初期のものから、ロマン派の時代に登場した金属製のフレームによるものへと進化したのだ。 このセッションのためにワンが選んだ楽器は、彼女が最近手に入れたロマン派時代のピアノで、1819年製のグラーフのレプリカだ。「1819年のグラーフはその移行期の直前に作られたもので、古典派の透明感とロマン派のみずみずしい美しさを兼ね備えています」 とワンは言う。「このレコーディングの準備をしていた時、楽器自体が持っている音楽の美しさを形作る計り知れない力をよりはっきりと感じました」。彼女によれば、このピアノの音を聴けるのはこのClassical Sessionが初めてということだ。 「これらの素晴らしい楽曲、19世紀初頭のピアノの音色、そして私がそこに付けた印としての演奏が、これからも新しい物語を生み出し続けることを願っています」
作曲者
フォルテピアノ