2024年には、いずれもチェコの音楽史を語るには欠かせない作曲家である、ドヴォルザークが没後120年、ヤナーチェクが生誕170年、そして、スメタナが生誕200年を迎えており、彼らの音楽に触れる機会が増えている。本作も、同国の音楽界にとって重要な意味を持つこの年に合わせて発表されたものだ。ロシア出身で長い間ヨーロッパを拠点に活動している名指揮者、セミヨン・ビシュコフは、2018年10月から首席指揮者と音楽監督を務めるチェコの世界的オーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を率いて、スメタナによる連作交響詩の歴史的名作『わが祖国(Má Vlast)』を録音した。それぞれにチェコの歴史や自然、伝説などを題材にした六つの交響詩から成る大作だ。中でも際立って有名なのは、第2曲の「Vltava」だろう。ボヘミアの田園地帯から首都へと向かって行くヴルタヴァ川の雄大な流れをドラマチックに描いた傑作だ。もちろんこの曲においても、他の曲においても、マエストロとオーケストラは、チェコの国民的作曲家がこの力作に込めた深く強い思いに真摯(しんし)に応えるような、情熱的な演奏を聴かせている。
作曲者
指揮者
オーケストラ