ルイ・ロルティとHelene Mercierによる人気ピアノデュオは、ドビュッシーによる2台のピアノのための作品と、同じくドビュッシーの作品を同時代の作曲家たちが2台のピアノのために編曲した楽曲を収録した本作で、説得力のある魅惑的な演奏を披露している。2人はアルバムの冒頭から、ドビュッシー初期の作品「Andante cantabile(アンダンテ・カンタービレ)」から、ビゼーやドリーブからの影響を描き出し、ドビュッシーが抱いていたフランスの作曲家としての誇りをも感じさせる。また彼らは『Petite Suite(小組曲)』で、マスネやシャブリエにも通じる小気味よい曲調を楽しんでいるかのようだ。20世紀の幕が開いて『La Mer(海)』の頃になると、ドビュッシーは自身の作風を確立。普段はオーケストラサウンドの中に埋もれてしまいがちなディテールに光を当てながら、2人はテクスチャとハーモニーの輝きを見事に表現している。中でも点描画のような質感の小品集『Six Épigraphes Antiques(6つの古代の墓碑銘)』は、ドビュッシー後期の作風がとりわけ謎めいたものであったことを物語る演奏となっている。
作曲者
ピアノ