輝きにあふれた音色を生かしたエネルギッシュな演奏で、バッハの歴史的名作に新鮮な響きをもたらす。フランスのクラシック界を代表する演奏家の一人であるヴァイオリニスト、ルノー・カピュソンは1976年の生まれ。本作『J.S. Bach: Complete Sonatas & Partitas』には、カピュソンが50歳の誕生日を迎えるにあたって満を持してレコーディングした、ヨハン・セバスティアン・バッハによる無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲が収録されている。カピュソンのレパートリーの中核を成すのはロマン派の作曲家たちによる作品だが、彼は幼い頃からバッハの音楽にさまざまな感情をかきたてられてきたといい、これまでの録音でもこのバロックの巨匠によるヴァイオリン協奏曲やヴァイオリンと鍵盤楽器のためのソナタを取り上げてきた。このアルバムは、そんなカピュソンがバッハに対して抱く大いなる敬意にあふれている。『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番』の「Preludio」でのカピュソンは、まるでヴァイオリンと一体となって光を放つかのような、喜びに満ちた演奏を聴かせる。一方、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番』の「Presto」では、音色の輝きはそのままに、より力強く、即興性の高いパフォーマンスで、リスナーを音の渦の中へと引き込んでいく。
作曲者
ヴァイオリン