『交響曲第1番』の冒頭を飾る荘厳な金管楽器のファンファーレから、『交響曲第4番』のアドレナリンがほとばしる脈打つようなフィナーレに至るまで、グスターボ・ドゥダメルが手掛けたこのアルバムは、これまでに録音されたシューマンの交響曲全集の中でも屈指の名作の一つに数えられる。その理由の一部は、ドゥダメルが2009年から2026年まで音楽監督を務めたロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団の卓越した演奏にある。 『交響曲第2番』の第2楽章“Scherzo”における、シャープかつ繊細に表現されたダイナミクスとリズミカルで引き締まった演奏は、このオーケストラならではの洗練された響きと卓越した技術を示す多くの例の一つに過ぎない。一方、楽団員たちは同交響曲の緩徐楽章において、シューマンの別の一面を浮かび上がらせている。この思慕の念にあふれた情感豊かな楽章で、オーケストラは魅惑的な叙情性と繊細な感受性が溶け合ったシューマンの音楽の特長を、感動的に描き出しているのだ。 これらの演奏をまとめ上げているのが、指揮者のドゥダメルである。彼はオーケストラから磨き上げられた響きを引き出し、それぞれの交響曲を高い説得力をもって形作っている。そして、優れた録音が、この共感に満ちた解釈の深層までを鮮明に伝えてくれる。
作曲者
オーケストラ
指揮者