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- 2011 · チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、小林研一郎
小林研一郎
作曲者としての最新アルバム
バイオグラフィー
“炎のマエストロ”。髪を振り乱しながら指揮台の上を激しく動き回り、オーケストラから最大限のエネルギーを引き出す情熱的な姿から、いつしかそう呼ばれるようになった。そのスタイルは、スコアを深く読み込むことで作曲家の真の思いに迫り、その思いを最良の形でオーディエンスに伝えたいという、小林研一郎が抱く熱い思いの表れなのだ。1940年に生まれた小林は、少年時代に聴いたベートーヴェンの『第九』に衝撃を受けて作曲家を志し、東京藝術大学音楽学部作曲科に入学する。しかし、当時のメインストリームであった前衛音楽に違和感を覚えた彼は、作曲科を卒業した後、指揮科に再入学して指揮を学んだ。そして、指揮科を卒業した小林は、1974年に第1回ブタペスト国際指揮者コンクールで第1位となり、注目を集める。その後は、日本を代表する世界的指揮者の一人として、国内外の多くの著名なオーケストラと共演し、いくつもの楽団の主要な役職を歴任してきた。録音にも積極的で、名作の誉れ高いチェコ・フィルハーモニー管弦楽団との『ベートーヴェン:交響曲第1番&第7番』(2011年)をはじめ、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団など、国内外のオーケストラと共に、ロマン派のレパートリーを奏でたアルバムも多くリリースしている。作曲家としての作品も高く評価されており、また、ステージ上で見せる、オーディエンス、作曲家、楽団員への敬意を忘れない真摯(しんし)な姿勢でも尊敬を集めている。