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- 2005 · ブリテン・シンフォニア、Polyphony、スティーヴン・レイトン
モートン・ローリゼン
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バイオグラフィー
モートン・ローリゼンによる『Lux Aeterna』(1997年)の安らかなオープニングを聴くと、自分自身や悩める自己などというものはあまりにも小さく、それとは比べものにならないくらい大きな何かが存在するのだという感覚が沸き上がってくる。この心を揺さぶる合唱とオーケストラのための作品は、現代の合唱音楽の世界にあって、彼が際立って誠実で説得力のある音楽性を持っていることを示すものであり、同時に、彼の音楽が真にアメリカ的なものであることをはっきりと感じさせる。1943年に生まれ、ワシントン州南東部の雄大な自然に囲まれて育ったローリゼンは、当初アメリカ合衆国森林局の消防士として働き、セントヘレンズ山近くの火見櫓(ひのみやぐら)から広大な森林を見守るうちに、音楽を作ることが自身の使命であることを悟ったという。19世紀アメリカの作家で詩人、思想家、博物学者、そして環境保護運動の先駆者でもあったヘンリー・デイヴィッド・ソローを思わせる賢者であるローリゼンは、先史時代から連綿と紡がれてきたかのように複雑に絡み合う対位法的な旋律と、魅惑的でシンプルな音楽表現を組み合わせた音楽を生み出している。受肉の神秘や宇宙に対する畏敬の念を反映したモテット「O Magnum Mysterium」(1994年)がもたらす感動は、他に類を見ないものだ。