1895年ルーマニア、ブカレスト生まれ。ハスキルの演奏家人生の前半は、病気も多く、思うような成功を収めることができなかったが、第2次大戦後には彼女の演奏の真価が理解されるようになり、次第に名声が高まっていった。特に高い評価を得たのは、モーツァルトのピアノソナタ、ピアノ協奏曲などの演奏である。ピアノの音の美しさ、そして粒だったその音色が流れるようにモーツァルトの音楽を表現している。ソロのピアニストとしてだけでなく、バイオリニストのグリュミオーとの共演による演奏も多かった。指揮者マルケヴィチと遺したモーツァルトのピアノ協奏曲の録音は、ハスキルの音楽性の豊かさを証明している。