チェロ協奏曲第1番 ハ長調
Hob. VIIb/1
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは、そのキャリアにおける多くの時間を、大貴族であるエステルハージ家の宮廷音楽家として過ごした。『チェロ協奏曲第1番』は、ハイドンが同家に仕えるようになった1760年代初頭の数年間に書かれたものだ。当時、独奏を担当したのはエステルハージ家の宮廷楽団のチェロ奏者だったヨーゼフ・フランツ・ヴァイグルであり、同時期に作曲された『交響曲第6番』『第7番』『第8番』においても彼がソロを担当している。しかし、このコンチェルトの演奏に関する資料はその後に失われ、ハイドンの作品目録に曲名が記されているだけになってしまう。状況が変わったのは、作曲から200年が過ぎた1961年のことだった。プラハで筆写譜が発見されたのだ。そして、その翌年にMilos Sadloの独奏とチャールズ・マッケラスが指揮するCzecho-Slovak Radio Symphony Orchestraによって再演された『チェロ協奏曲第1番』は、ハイドンの最も人気のある作品の一つとなった。バロック風の雰囲気と爽快さを醸し出す「モデラート」、うっとりするようなメロディにあふれた「アダージョ」、そして、疾走感と歓喜に満ちた終楽章からなるこのコンチェルトは、ソリストに大きな課題を与えると同時に、弾く喜びをもたらした作品である。
