チェロ協奏曲第2番 ニ長調

Hob.  VIIb/2、Op.  101

長きにわたって『チェロ協奏曲第2番』は、ハイドンがハンガリーのニコラウス・エステルハージ候に仕えていた時代に、宮廷楽団の首席チェリストだったアントン・クラフトのために書いた(あるいはクラフトが作曲した)と考えられていた。しかし近年の研究によって、この話はクラフトの息子が父の名声を高めるために捏造(ねつぞう)したものであることが判明している。実のところこの曲はイギリスのチェリスト、James Cervettoのために書かれたものであり、1784年にロンドンのハノーバー・スクエア・ルームズで初演された。Cervettoは、18世紀の音楽家で音楽史家チャールズ・バーニーが「ベスト・テノール・ボイス」と評した通り、表情豊かで歌心にあふれた演奏で賞賛されていた。そのためこの『チェロ協奏曲第2番』は、1760年代に作曲された『第1番』のような活力のあるリズムやカリスマ的な名人芸にスポットライトを当てたものではなく、高音域で奏でる叙情的な旋律を生かした作品となった。落ち着きのある第1楽章、非常にリリカルな第2楽章「アダージョ」、そして幸福感にあふれた第3楽章「ロンド」は、いずれも思わず口ずさみたくたくなるようなオーセンティックで親しみやすいメロディにあふれている。

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