ソプラノ歌手のルネ・フレミングのソロ歌曲アルバム。シューマンによる「Frauenliebe und -leben(女の愛と生涯)」と、胸がしめつけられるほどに美しいマーラーの「Rückert-Lieder(リュッケルト歌曲集)」という2つの偉大な連作歌曲集を取り上げている。現代最高峰の歌手の一人であるフレミングの歌唱でこのような歴史的名曲を聴くことは、音楽ファンにとってこれ以上なく幸せなことだろう。ブラームスによる愛らしく詩情豊かな歌曲でつづられるアルバムの序盤では、ハルトムート・ヘルによる丁寧に歌に寄り添うピアノも輝きを見せる。続くシューマンでも気取りのない雰囲気の歌と演奏が琴線に触れ、マーラーではクリスティアン・ティーレマンが率いるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団による滋味深い演奏と共に楽曲の奥深さを存分に堪能することができる。