バーンスタインの膨大な録音作品の中で彼自身のお気に入りの一つだったのが、1979年にレコーディングしたベートーヴェンの『弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131』だ。その理由としては、この弦楽合奏版がバーンスタインの師匠であるギリシャの作曲家/ピアニスト/指揮者、ティミトリ・ミトロプーロスによって編曲されたものだから、ということもあるだろう。バーンスタインはハーバードの学生だった頃に初めてこのバージョンを聴いて大きな刺激を受けていた。ウィーン・フィルハーモニーの弦楽セクションによる演奏は壮大かつ気品にあふれており、彼らの生み出すサウンドが、バーンスタインの思い描いていた通りのものだったことは明らかだ。バーンスタインが最晩年にレコーディングしたベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲『第16番 ヘ長調 作品135』も同様に実りのあるもので、素晴らしいスコアを美しく彩る旋律は、拡大されたビジョンを見事に表現している。
作曲者
オーケストラ
指揮者