2人の優れたマリンバ奏者、Lukas BöhmとNi Fanが一体となり、見事な演奏を聴かせるユニットDoubleBeats。本作での彼らは単に卓越した演奏家にとどまらず、編曲家としての優れた手腕も発揮している。バッハ、ラフマニノフ、ショパン、ピアソラ、ハイドンの洗練された編曲は、原曲の魅力を一切損なうことなく、それぞれの作品に新たな命を吹き込んでいる。バッハの『Goldberg Variations』からのセレクションは活力と親密さに満ち、ハイドンの『Variations in A Major』はウィットにあふれる。アルバムの最後に収録された三木稔の『Marimba Spiritual』は、リスナーに強烈なインパクトを与えるトラックで、パーカッションにまわったBöhmのめくるめくようなプレイと、Fanによるマリンバ独奏とのアンサンブルを堪能することができる。この曲での2人はとりわけ豊かな表現力と色彩感覚、そしてドラマ性を披露している。