『Arc I』はアメリカのピアニストOrion Weissが、第1次世界大戦が音楽に与えた影響を探る3部作の第1作となるアルバムだ。紛争勃発の直前と、その後の展開を予感させる激動の時代を検証する3つの作品を集めている。エンリケ・グラナドスの『Goyescas』(1911年)は、死に至る愛の物語を6つの楽章で表現した作品。Weissは繊細なピアニズムで、作品の複雑な世界との完全なる同化を体現する。レオシュ・ヤナーチェクの『In the Mists』(1912年)もまた、さらにおぼろげな言葉で死を表現している。アレクサンドル・スクリャービンのピアノソナタ『Black Mass 』(1913年)のなんとも不穏な雰囲気は、まさに災厄が差し迫っている世界を連想させる。