フランク・ブリッジが『Cello Sonata, H.125』の作曲に着手したのは、第1次世界大戦前の最後の平和な年であった1913年のことだった。トゥルルス・モルクは、戦時中の内省的で不穏な世界への序曲ともいうべきこの曲の第1楽章で、ためらうことなく思いのすべてを伝えている。続く叙情的な「Adagio」は、高まる音楽への情熱を駆り立てる運命を提示する。一方、ブリッジの愛弟子、ベンジャミン・ブリテンは『Cello Sonata, Op.65』を冷戦が“雪解け”ムードになった頃に作曲した。モルクは、デュオ演奏でおなじみのパートナー、ホーヴァル・ギムゼと共に、テレパシーで通じ合うような見事なパフォーマンスを披露している。こちらも第1次世界大戦のさなかに書かれたドビュッシーの『Cello Sonata, CD 144』の「Sérénade」や、ヤナーチェクの詩情にあふれた『Pohádka(おとぎ話)』では、堂々としたチェロの多彩な音色が、非常に大きな効果を発揮している。
作曲者
チェロ
ピアノ