フランスの美しいヴォージュ山脈の麓で育ったチェロ奏者、Olivia Gayがこのアルバムで奏でる美しい演奏には、自然界における健全な生態系への深い思いが込められている。ドヴォルザークの『From the Bohemian Forest for Cello and Orchestra』からの「Silent Woods」は、森をテーマにしたこのアルバムを象徴する作品で、穏やかな曲調に彼女の心のこもった演奏がぴったりとはまる。John Luther Adamsの「The Wind at Maclaren Summit」(Three High Places: No. 2)は、軽やかなハーモニクスがあるべき自然の姿を呼び起こし、David Popperの「Elfentanz」(Dance of the Elves)では、Gayの素晴らしい演奏技術が余すことなく披露される。アルバム全体からは、年代物のモンタニャーナのチェロによる甘美な音色、そして環境に対するメッセージが、鮮やかに浮かび上がってくる。