バッハはギターのための曲を遺していない。しかし、フランスの俊英ギタリストThibault Cauvinは、バッハの曲をギターにふさわしいテイストで編曲すれば、素晴らしい響きが生まれることを証明してみせた。Cauvin自身の編曲による『Violin Partita No. 2』の演奏は非常に内省的であり、長大な終曲である「Chaconne」は、音色とアーティキュレーションの絶妙な表現にあふれている。また、あまりにも有名なオルガン曲『Toccata and Fugue in D Minor, BWV565』(Cauvin編)での彼のギターは、ゴシック的な壮大さをまとったこの作品に秘められた内なる鼓動を明らかにする。そして弟のJordanが再構築したチェロや鍵盤楽器のための前奏曲は、兄のギターのタッチや音色の多彩さとバッハのスピリットに対する深い共感を、より強く印象付けるものとなっている。