プッチーニは、演劇性の強い物語とベルカントの声楽様式を巧みに組み合わせる作曲能力により、生前から大きな成功を収めた。そして今日においても、彼はその作品でオペラハウスを満員にできる数少ない作曲家の一人である。プッチーニの魅力の秘密の多くは、たとえ上演されるラブストーリーが健全とは言えないものであっても、感情のツボを刺激してしまう数多くのメロディにある。 そしてプッチーニのオペラは他のどのオペラよりも心の琴線に触れる。このアルバムはテノール歌手のヨナス・カウフマンが、さまざまな恋愛模様をアスミク・グリゴリアン、プリティ・イェンデ、ソーニャ・ヨンチェヴァらの一流ソプラノ歌手たちと共に披露する。最初のロマンチックなカップルは『ラ・ボエーム』のロドルフォとミミで、出会って間もないにもかかわらず、息もつかせぬ間に恋に落ちてしまう。『マノン・レスコー』の 「Tu, tu, amore? Tu」では、真実の愛が世俗的な欲望と戦う中、過去の恋愛の記憶がよみがえり、そして『外套』の「O Luigi! Luigi!」は、ジョルジェッタ、ミケーレ、ルイージによる悲劇の三角関係を予感させる。 『トスカ』『西部の娘』『蝶々夫人』からも同様に情感豊かなデュエットが披露され、ドラマチックな熱気と輝かしい歌唱の祝宴が繰り広げられる。
作曲者
ソプラノ