このデジタルアルバムは、1925年に亡くなったフランスの作曲家、エリック・サティの没後100年を記念して制作された。収録曲のほとんどは、これまで出版されていなかった作品であり、それらの多くが1分に満たない小品だ。そのうちの一つである小さな組曲『Soupirs fanés(しおれた吐息)』の中の、ぎこちないリズムを特徴とする曲「Poil – Recrudescence」を聴くと、本作のピアニスト、アレクサンドル・タローがこの短い曲の魅惑的で予測不能な展開を心から楽しんでいる様子がうかがえる。また彼は、「Cancan grand-mondain」でパリのキャバレーに渦巻く歓楽的なムードを、そして「Bourrée」においては古風な舞曲とモダンな響きの出会いが起こす化学反応を、見事に表現している。 また、名ヴァイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロヴィチが、どこか物憂げな雰囲気の「Mélodie」をはじめとする3曲でタローと共演し、ピアノも得意とする名チェリスト、ゴーティエ・カピュソンは、アルバムのラストを飾る「Prestidigitateur chinois」でタローとの遊び心にあふれた連弾を披露している。しかし、熱心なサティ愛好家の心を特にくすぐるのは、横に滑っていくかのような謎めいた和声を特徴とする、短くも深みのある四つの楽章から成る『Esquisses bitonales』だろう。この組曲は、半ば真剣に、半ばユーモアを交えながら、サティが単に伝説的な変わり者というだけでなく、なぜ作曲家としてこれほどまでに魅力的な存在であり続けているのかを簡潔に示している。
作曲者
ピアノ
ヴァイオリン