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- 1984 · パイヤール室内管弦楽団、ジャン=フランソワ・パイヤール
ヨハン・パッヘルベル
プレイリスト
ライブアルバム
バイオグラフィー
ホルストにとっての『The Planets(惑星)』(1916年)やラヴェルにとっての『Boléro(ボレロ)』(1928年)と同じように、パッヘルベルの『Canon(カノン)』(1680年)も作曲家のイメージを狭い範囲に限定してしまった。しかし現在では、彼が教会音楽と室内楽の分野において多作で進歩的な作曲家であったことや、オルガン奏者や音楽教師として引く手あまたな存在であったことが知られている。1653年生まれのヨハン・パッヘルベルは、ウィーンやエアフルト(彼はこの町でバッハ一家と親交を深めた)などで活動し、最後は故郷のニュルンベルクに戻って1706年にこの世を去った。膨大な数に上る彼の鍵盤楽器(オルガンとチェンバロ)のための作品は、礼拝のためのオルガンコラールから、組曲、変奏曲まで、当時のほとんどの形式を網羅している。二つのバイオリンと通奏低音のための六つの組曲『Musicalische Ergötzung』(1695年)においては、フランス、イタリア、ドイツのスタイルがカラフルに混ざり合っている。大規模な宗教声楽曲はさらにドラマチックな表現を輝かせており、『Lobet den Herrn』では詩に登場するトランペット、ハープ、シンバルなどの多くの楽器を実際のアンサンブルに生かした。