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- 2011 · アラン・ラヴディ、アカデミー室内管弦楽団、サー・ネヴィル・マリナー
サー・ネヴィル・マリナー
バイオグラフィー
2,000を超える楽曲をレコーディングし、600作以上に及ぶアルバムをリリースしたサー・ネヴィル・マリナー。そのディスコグラフィの膨大さは、ヘルベルト・フォン・カラヤンに匹敵するものだ。1924年にイギリスで生まれ、バイオリニストから指揮者に転身したマリナーは、1958年、その後終生にわたって関わりを持つことになるアカデミー室内管弦楽団 (Academy of St Martin in the Fields) を創立した。その輝くようなサウンドと高い技術によるパフォーマンスの快活さは、クラシック界の新たなスタンダードとなる。バロック音楽の演奏においては、ハープシコード奏者で音楽学者のサーストン・ダートとマリナーとの友情が生かされた。ソリストにアラン・ラヴディを迎えたヴィヴァルディの『Four Seasons』の録音ではこの古楽の名作に新鮮な息吹を吹き込み、ピーター・シェーファー原作、ミロシュ・フォアマン監督の映画『アマデウス』のサウンドトラック作品は彼らのベストセラーの一つとなった。また、アカデミーとの活動以外にも、創立当初からロサンゼルス室内管弦楽団の音楽監督の任に就き、ミネソタ管弦楽団やシュトゥットガルト放送交響楽団でも同様のポジションを歴任するなど国際的に活躍したマリナーのレパートリーは、バロックからブリテン、ストラヴィンスキー、ティペットなど、20世紀の作曲家の作品まで、幅広いものだった。サー・ネヴィル・マリナーは、2014年にロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された90歳の誕生日を祝うコンサートを指揮して喝采を浴び、2016年に亡くなる2日前にも演奏会でタクトを振るなど、最後の最後まで不屈の音楽家魂を発揮した。