- エディターのおすすめ
- ルーツミュージックの香り豊かな、20世紀アフロアメリカンの代表的作曲家の音楽。
ウィリアム・グラント・スティル
- Texas Music Educators Association Region 24 High School Symphony Orchestra、 Texas Music Educators Association Region 24 High School String Orchestra、 Texas Music Educators Association Region 24 High School Philharmonic Orchestra
バイオグラフィー
20世紀アメリカの作曲家スティル(William Grant Still)は、その輝かしいキャリアの中で、音楽史におけるいくつもの“記録”を達成している。『Symphony No. 1, “Afro-American”』(1930年)は、アメリカの主要なオーケストラによって初演された初めてのアフリカ系アメリカ人作曲家による交響曲であり、1936年にハリウッド・ボウルでロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したことでアメリカの主要なオーケストラを指揮した初めてのアフリカ系アメリカ人音楽家となり、1949年にニューヨーク・シティ・オペラ管弦楽団によって初演された『Troubled Island』は、メジャーなオペラカンパニーが手掛けた最初のアメリカ人作曲家によるオペラとなった。1895年にミシシッピ州で生まれたスティルは、少年時代に継父のレコードコレクションを発見したことで音楽に興味を持つ。キャリアの初期には“ブルースの父”ことW.C.ハンディのバンドや、バンドリーダーのポール・ホワイトマン、ジャズクラリネット奏者アーティ・ショウなどの下で、アレンジャーとして腕を振るった。その一方で彼は、1920年代から1930年代にかけて巻き起こったアフロアメリカンによる文化運動、ハーレムルネサンスの中心人物としても活躍している。ロサンゼルスに拠点を移した1934年には、映画やテレビのための音楽を作曲する傍ら、初のオペラ『Blue Steel』を作曲。その作品は幅広いジャンルに及び、8作のオペラ、5作の交響曲、4作のバレエ音楽、さまざまな交響詩や管弦楽組曲、室内楽、独奏曲、そして歌曲や合唱曲を書いた。スティルの楽曲の大きな特徴であるブルースに根差したメロディと旋法は、彼の多くの楽曲を彩っている。1978年に亡くなる前後には、クラシック音楽シーンにおいて存在感が薄れていたスティルの音楽だが、その後再評価の波が高まり、近年では録音される機会も多くなっている。