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- 2008 · ハリー・クリストファーズ、ザ・シックスティーン
ハリー・クリストファーズ
バイオグラフィー
純粋さと温もり、光と影、力強さと正確さのすべてを備えた、合唱の理想的な響きを生み出す指揮者、ハリー・クリストファーズ。彼は合唱の水準を高め、視野を拡大したという点において、際立った存在だ。 1953年生まれの彼は、カンタベリー大聖堂のボーイソプラノとしてイギリスの伝統的な合唱の手ほどきを受け、オックスフォード大学のマグダレンカレッジの合唱団で学びを深めた。その後、キャリアの初期にはウェストミンスター大聖堂合唱団やBBCシンガーズにテノール歌手として所属した。クリストファーズは1977年、オックスフォード大学を卒業する少し前に、マグダレンカレッジの元合唱団員たちと一緒にコンサートを行い、報酬として5ポンドと1杯のビールを受け取った。この時のメンバーを中心に結成されたのがザ・シックスティーンだ。1979年にデビューしたこの合唱団は、15世紀の『イートン・クワイアブック』やヘンデルのオラトリオ、そして、モンテヴェルディ、パーセル、ヨハン・ゼバスティアン・バッハなどの作品を歴史的知識に基づく演奏でレコーディングし、熱烈な支持を獲得。一方、新しいことにも積極的に取り組むクリストファーズのリードのもとで独自のレーベルを創設したザ・シックスティーンは、James MacMillan、Roxanna Panufnik、ウィル・トッドをはじめとする多くの現代作曲家たちに作品の委嘱も行っている。そして、2009年にボストンに拠点を置くHandel and Haydn Societyの芸術監督に任命されたハリー・クリストファーズは、その魅力的で説得力のある合唱の品格をアメリカに伝えている。