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- 2004 · サイモン・ラトル、ジルケ・アヴェンハウス、バーミンガム市交響楽団、トーマス・ツェートマイア
バーミンガム市交響楽団
バイオグラフィー
バーミンガム市交響楽団(CBSO)は、非常設の自治オーケストラとしてスタートした時から、その順応性の高さを生かしつつ、国際的な名声を徐々に確立してきた。このオーケストラは、特徴である温かさとエネルギーを保ちながらも、歴代の首席指揮者たちが持つ個性に合わせて、そのサウンドを驚くほど変化させてきたのだ。結果として、ジョージ・ウェルドン(1944~1951年)がもたらしたあふれる熱意、ルイ・フレモー(1969~1978年)による人生の素晴らしさ感じさせるような表現、そして、サイモン・ラトル(1980~1998年)の細部にまで神経が行き届いた緻密さは、同楽団のアイデンティティにおいて重要な部分となった。CBSOは、作曲家のGranville Bantockと、バーミンガム出身の実業家/政治家で後にイギリスの首相となったネヴィル・チェンバレンの尽力により、1920年に創立された。また当初から進取の気性も顕著であり、ホルストやBAXなどによる新しい音楽を力強く支持し、土曜日の昼間にコンサートを開くなど、主要なオーケストラとしては初めて、子どもたちの音楽教育にも力を注いだ。1924年10月7日には、エイドリアン・ボールトの指揮の下、世界初となるコンサートの中継放送も行っている。1960年代の終盤からフランスの指揮者ルイ・フレモーが音楽監督になると、フランス音楽を積極的に取り上げ、サイモン・ラトルをして“フランス音楽の演奏において世界で最も素晴らしいオーケストラ”と言わしめた。そのラトルが首席指揮者を務めた19年の間(1980~1998年)に、CBSOは、特にマーラー、シマノフスキ、ブリテンの、そして、トーマス・アデスやマーク=アントニー・ターネイジ、ジョン・アダムズといった現代の作曲家たちの楽曲の録音で、世界の主要なオーケストラの一つとして認められる存在となった。