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- 1995 · ダニエル・バレンボイム、ジョン・バルビローリ、ジャクリーヌ・デュ・プレ、シカゴ交響楽団、ロンドン交響楽団
ジャクリーヌ・デュ・プレ
バイオグラフィー
ジャクリーヌ・デュ・プレは、そのあまりにも短かったキャリアの初期に、エルガーの哀愁と苦悩に満ちた『Cello Concerto』の本質を見事に捉えた音源で、音楽界に衝撃を与えた。1965年に録音されたこのアルバムは高い評価を受け、彼女は、ロイヤルアルバートホールでのプロムスを含めた多くの場面で繰り返しこの曲を演奏して、大きな人気を得たのだ。 1945年にイギリスのオックスフォードに生まれたデュ・プレは4歳でチェロを始め、ウィリアム・プリースの指導の下で、チェロという楽器そのものへの、そしてブラームスやドヴォルザークなどの作曲家によるチェロのレパートリーへの愛を育んでいった。1962年、ロイヤルフェスティバルホールでの協奏曲デビューで演奏したのもエルガーのコンチェルトだった。彼女の演奏において特徴的なのは、一つの音から別の音へ滑らかに移動するポルタメントであり、また、ハイドンやシューベルトの演奏に顕著なように、並外れたフィンガリングや普通でないハンドポジションをいとも簡単にこなした上で、演奏を純粋に楽しむ姿も彼女ならではのものだった。1967年に結婚したピアニスト兼指揮者のダニエル・バレンボイムともしばしば共演し、ベートーヴェンのチェロソナタやピアノ三重奏曲、シューマンやドヴォルザークなどによるロマン派や後期ロマン派のレパートリーを録音した。 多発性硬化症に侵されたジャクリーヌ・デュ・プレの演奏活動はわずか10年で終わりを告げ、彼女は1987年に亡くなった。しかし、デュ・プレが遺した音源は、現在でも音楽家とリスナーにインスピレーションを与え続けている。