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- 2010 · ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、マリス・ヤンソンス
マリス・ヤンソンス
プレイリスト
バイオグラフィー
指揮台の上では常に冷静で威厳を放っていたマリス・ヤンソンスは、情熱と、作品の形式やドラマに対する優れたセンスを併せ持った指揮者だった。1943年に当時ナチスの占領下にあったリガ(現在のラトビアの首都)で生まれたヤンソンスは、13歳の時に父で指揮者のArvīds Jansonsと共にレニングラード(現サンクトペテルブルク)に移り、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)で学んだ。卒業後はウィーン国立音楽アカデミーでハンス・スワロフスキーに師事し、また、カラヤンの薫陶も受けている。1971年にはレニングラード・フィルハーモニー交響楽団(現サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団)を指揮してデビューを果たし、同楽団の常任指揮者エフゲニー・ムラヴィンスキーの下でさらなる研さんを積んだ。1979年にはその後長く有意義な関係を築いていくことになるオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者となり、それ以降、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団やピッツバーグ交響楽団の要職も歴任するなど、国際的な地位を確立していく。ヤンソンスによるベートーヴェン、ブルックナー、マーラー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチなどの作品の録音は世界中で好評を博し、彼は数々の権威ある賞にも輝いた。1996年、指揮中に心臓発作を起こした後は長距離のフライトを伴う活動を縮小し、バイエルン放送交響楽団とアムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めた。2006年と2012年、そして2016年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで指揮者を務めたが、2019年の12月にこの世を去った。