イスラエル出身のピアニスト、マタン・ポラトが私たちを招待してくれるのは、夜明けから真夜中にかけての音楽の旅。セレクトされた楽曲群はバリエーションに富むものだが、ポラトはそれらがスムーズな流れを生み出すよう、丁寧に配置している。1日の始まりにはグレゴリオ聖歌を。続いてシューマンの「暁の歌」が私たちを朝の光の中へと連れ出し、マティアス・ピンチャーの手による世界初録音作品を経て、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」へ。暗闇への恐怖をたたえたバルトークの"The Night’s music"も印象的だ。すべての楽曲は清らかな音色で情感たっぷりに奏でられており、アルバムを通して聴くと一編の小説を読み終えた時のような気持ちに包まれる。
楽器演奏者
作曲者