300年もの時を隔てているにもかかわらず、ヘンリー・パーセルとビートルズの間には多くの共通点が見られる。どちらも豊かなメロディとリズムにあふれた音楽を生み出し、すべての音楽ファンを魅了し、さらには彼らが活躍した時代の文化を決定付ける存在にまでなった。古楽アンサンブルLautten Compagneyはパーセルのオペラや管弦楽曲とビートルズナンバーを同列に奏でたこのアルバムで、世紀を超えた魅惑的で実験的な音楽の旅へといざなう。彼らの試みを成功に導いた要因としてあげられるのは、チェリストで作編曲家のBo Wigetと音楽監督のWolfgang Katschnerによる驚きと喜びをもたらす独創的なアレンジ(例えばパーセルの『Dido and Aeneas』のアリアからビートルズの「Yesterday」の導入部へのシームレスなつながり)と、ソプラノサクソフォンでバロックとモダンのいずれの雰囲気をもかもし出すAsya Fateyevaの卓越した演奏といえるだろう。彼らの柔軟なアプローチは、切なくも軽やかなビートルズの「Girl」にも、パーセルの『King Arthur』の荒涼としたFrost Sceneにおける「Cold Song」にも、絶妙にマッチしている。音楽的な深みにあふれた快作。
作曲者
サクソフォン
指揮者
バロック音楽アンサンブル