J. S. Bach & Beyond: A Well-Tempered Conversation

ベルギー出身のピアニストJulien Libeerが、J. S.バッハの歴史的名作『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の完成300年を記念して制作したアルバム。Libeerは本作で、バッハの長調の前奏曲とフーガを、これらの楽曲に影響を受けた後世の作曲家たちによる短調の作品を並べて配置することで、このバロックの偉大な作曲家に現代的な文脈を与えている。ベートーヴェン、ショパン、セルゲイ・ラフマニノフ、ジェルジ・リゲティ、アーノルド・シェーンベルクといった作曲家たちは、バッハと同様に頭脳と心のほぼパーフェクトなバランスを持っている。バッハの変ロ長調とマックス・レーガーの変ロ短調（「Two-part Canon in B-Flat Minor」）や、バッハのホ長調とモーリス・ラヴェルのホ短調（『クープランの墓』より「II. フーガ」）の組み合わせは特に印象的だ。Libeerはこの巧みなプログラムの妙味を見事な演奏で表現している。