アンネ=ゾフィー・ムターは1993年にリリースした本作で、圧倒的なテクニックを惜しげもなく披露している。収録されているのは広く知られるバイオリンの名曲ばかりだ。パブロ・デ・サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン 作品20」は高度な技術の見せ場がふんだんに盛り込まれているだけでなく、情感にあふれた楽曲でもあり、アンコールピースとして高い人気を誇っている。ラヴェルの「ツィガーヌ」は、ハンガリーの伝統音楽のエッセンスを含んだ独特の雰囲気が魅力の逸品だ。ウィーン・フィルハーモニーは実に機敏で、ムターのまばゆいばかりに華麗な演奏に対して的確な反応を見せている。アルバムの中核を成すのはサラサーテによる『カルメン幻想曲』。1875年に初演されたビゼーのオペラからのメロディを用いたこの作品でも、ムターの卓越したテクニックを存分に堪能できる。
アンサンブル、オーケストラ
指揮者
ヴァイオリン
作曲者