サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
バイオグラフィー
サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団は、1908年、オペラ大国のイタリアにおいて初めて、演奏会用のレパートリーに特化したオーケストラとして創立された。すぐにオーケストラ作品を得意とする作曲家たちの御用達となった同楽団は、レスピーギの『ローマの噴水』や『ローマの松』の初演をはじめ、マーラー、リヒャルト・シュトラウス、ストラヴィンスキーといった作曲家兼指揮者たちの下で演奏を行った。一方、20世紀の半ばには、トゥリオ・セラフィンの指揮の下、レナータ・テバルディやカルロ・ベルゴンツィといった歌手たちを起用し、オペラ作品を次々とレコーディング。1980年代には、1983年から最晩年の1990年まで名誉総裁を務めたレナード・バーンスタインとも交流を持った。2002年には、イタリア屈指の建築家、レンゾ・ピアノの設計による新たな施設パルコ・デッラ・ムジカ内のホール、サラ・サンタ・チェチーリアに本拠地を移している。その3年後の2005年には、アントニオ・パッパーノが音楽監督に就任。ヨーロッパ各地をツアーし、ニューヨークや東京でも公演を行った。さらに、パッパーノの指揮の下、ソプラノ歌手アンジェラ・ゲオルギューとの『Madama Butterfly(蝶々夫人)』(プッチーニ)、ソプラノ歌手アニヤ・ハルテロスとテノール歌手ヨナス・カウフマンとの『Aida(アイーダ)』(ヴェルディ)、バーンスタインの三つの交響曲、ヴェルディやロッシーニ、ブリテンによる大規模な合唱曲などの優れた音源を多く世に送り出し、数々の賞にも輝いた。また、カウフマンや、ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコのソロアルバムをサポートしたり、ピアニストのベアトリーチェ・ラナやヤン・リシエツキ、ヴァイオリニストのジャニーヌ・ヤンセンと協奏曲を録音したりするなど、世界的ソリストたちからの信頼も厚い。