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- 2004 · ボーンマス交響楽団、マリン・オールソップ
ジョン・アダムズ
プレイリスト
バイオグラフィー
ジョン・アダムズは、スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスのような“第一波”の後に登場したミニマリストの中で、おそらく最も影響力のある作曲家の一人だ。彼はミニマリズムのコンセプトと後期ロマン派の作曲家たちからの影響を融合させ、執拗(しつよう)に繰り返されるリズムのパルスとメロディの短いフレーズを核としながら、シンフォニックな感覚の調性と和声によって肉付けされた楽曲を生み出している。1947年にマサチューセッツ州のウースターで歌手とクラリネット奏者の間に生まれたアダムズは、少年時代にクラリネットを学び、10歳までに作曲を始めた。ハーバード大学ではRoger SessionsやDavid Del Trediciといった新古典主義者に師事したが、その後ジョン・ケージや前衛音楽に魅了され、電子音楽の実験も始めている。1970年代の後半になるとシンフォニックな劇音楽に没頭するようになり、1987年には初のオペラ『Nixon in China』を初演。彼ならではのモダニスト的で政治色の強いオペラ作品のスタイルを確立した。当初物議を醸したこの作品は、やがて高い評価を受けることになる。1991年に初演された2作目のオペラ『The Death of Klinghoffer』はパレスチナのテロを扱ったもので、さらなる論争を巻き起こした。9.11をテーマにした2002年初演の合唱曲『On the Transmigration of Souls』では、2003年にピューリッツァー賞を受賞している。アダムズはその後も、歴史上の出来事にインスパイアされた、独創的な構造を持つオペラやオラトリオの制作を行っている。