フィリップ・ヘレヴェッヘ
バイオグラフィー
音色の美しさと洗練されたフレージングが常に際立っている。それがフィリップ・ヘレヴェッヘの演奏の特徴だ。ベルギー出身の指揮者で合唱団のディレクターである彼は、1500年代の後半から20世紀初頭にかけての幅広いレパートリーの中で、絶妙かつダイナミックなコントラストを大切にし、アーティキュレーションのポイントを見極め、そして、声や楽器の色合いを的確に変化させることでドラマチックかつスリリングな瞬間を表現できる。 ヘレヴェッヘは1947年にヘントで生まれた。地元で医学と音楽を学んでいる頃に、歴史的知識に基づいた古楽の演奏へ真摯に取り組む楽団の台頭に触発された彼は、1970年に声楽アンサンブル、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントを創立。その後、ピリオド楽器の演奏家たちを迎え入れて、グループを充実させていった。ヘレヴェッヘが持つ確かな知識と優雅な音楽性は、パリを拠点とするLa Chapelle Royaleやピリオド楽器のアンサンブルOrchestre des Champs-Elyseesといった同じく彼が創立した他の演奏団体における活動、および客演指揮者としての活動の堅固な基盤となっている。そんな彼の膨大なディスコグラフィには、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの名作『ミサ曲ロ短調』の傑出した音源や、同じくバッハの受難曲やモテットから、ブラームス、ブルックナー、マーラーなどの交響曲をピリオド楽器で奏でた魅力的な演奏も含まれている。