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- 1983 · ルドルフ・ゼルキン、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
バイオグラフィー
20世紀最大のチェリストの一人とされるムスティスラフ・ロストロポーヴィチは、1927年、ソビエト連邦の一部になってから5年経ったアゼルバイジャンのバクーで生まれた。幼い頃から母親にピアノを、そしてパブロ・カザルスに師事したこともあった父親にチェロを教わる。16歳で入学したモスクワ音楽院ではチェロと作曲を学び、作曲の師匠はショスタコーヴィチだった。その後は東欧諸国で公演を行い、1956年からは母校で教鞭もとった。1963年にはベルギーで演奏するなど西欧にも進出し、翌年には西ドイツでも公演を行っている。バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーをマスターしたロストロポーヴィチは、ブリテン、デュティユー、ルトスワフスキ、ペンデレツキ、ベリオ、メシアンといった作曲家たちと特に親密なパートナーシップを結び、これらの全員が彼のために曲を書いた。言論や芸術表現の自由を主張してたびたびソ連当局と衝突したロストロポーヴィチは、1974年にアメリカに渡りロサンゼルスに居を構えた。1977年から1994年までは、ワシントンD.C.ナショナル・シンフォニー・オーケストラの音楽監督を務めている。生涯をかけて演奏活動を行い、政治的自由のために闘った偉大な音楽家は、2006年に最後のコンサートを行い、翌年に80歳でこの世を去った。